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ねじり鉢巻きがいちばん似合う髪型といえば、なんといっても角刈り。祭り袢纏(はんてん)にピッタリはまるのも角刈り。粋でいなせな、日本男児ここにあり、というりりしさ男臭さが漂う一方で、清潔感あふれる髪型です。今も職人さんなどの間で絶大な人気を誇るこの髪型が大流行したのは、大正時代。大正デモクラシーを背景に大衆文化が栄え、ダンディズムが語られ、上流層にも下流層にも受け入れられた短髪スタイルが角刈りだったのです。
でも、そのルーツは、どうやら明治時代の文明開化のころにあるようです。断髪令発布後、髷を切った髪型のバリエーションに「ジャンギリ(斬切)」というのがあって、それがイガグリ型の短髪、つまり角刈りに近いヘアスタイルでした。大正時代には、前頭部と後頭部をさらに刈り込んで、角刈りよりもさらに鋭角に仕上げる「小松刈り」というスタイルも流行ったそうです。
角刈りや小松刈りのように髪の毛が立ったヘアスタイルを、専門用語ではブロース・カットと言います。ブロースとはブラシ。このブラシの長さでシルエットが変わり、名称も変わります。たとえば、頭頂部の平らな面が広く角が鋭いのが角刈り。そして、平らな面が狭くなる(シルエットが丸くなっていく)に従って、「角丸」、「スポーツ刈り」、「坊主」となっていくのだそうです。 |
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単に髪の毛を刈り込むだけではなく、剃り込みを入れたり形を細かく整えたりと、角刈りは意外と手間のかかる髪型です。シンプルに見えて、実は手が込んでいる。そういうものを「粋だ」と言って、特に好んだのが江戸の職人たちなんですね。時代劇で登場する遊び人は、頭上の髷をぐいっと斜めに曲げた髪型をしていますが、あの「いなせ髷」も、日本橋の河岸あたりの職人がやり始めたのだとか。変わったもの、新しいものが大好き。そんな彼らの「粋」へのこだわりが、ただの「ジャンギリ」を角刈りというファッションに変えたのかもしれません。
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