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荒俣宏 おもしろ毛髪雑学
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11 リーゼントはどこに行った?
1933年ごろ、イギリスで前髪を高く盛り上げ、側頭部の髪を後方にすいて流す長髪スタイルが流行し、ロンドンのWest Endにある繁華街「Regent Street」(リーゼント通り)の緩やかなカーブになぞらえて「リーゼント・スタイル」と呼ばれるようになりました。
ときは流れ、戦後の日本。高度成長期の波に乗って現れたのが、浜ジル(横浜ジルバ)とスカジャン、そして女の子のポニーテール、男のリーゼント。ロカビリー・ブームや、ロックの大流行とリーゼントは、切っても切れない関係でした。エルヴィス・プレスリーもリーゼント、マッシュルーム・カットになる前はビートルズもリーゼント。日本ではキャロル(1972~1975年)がリーゼントにして一気にスター・ダムへ昇っていきました。リーゼントにすれば女の子にモテモテ、なんていう大きな勘違いも手伝って、ポマードでピカピカになでつけ、額の上に大きく盛り上げられた若者たちに、年長者は眉をひそめたものです。
ちなみに日本でリーゼントといえば、不良の代名詞でしたが、本家本元のイギリスでは、上品な紳士のロングヘア・スタイルのひとつとされていました。リーゼントが姿を消しつつあるのと呼応するように街には軟派な男の子が増えているような気がするこのごろ。今こそ、リーゼントで粋な男をキメてみませんか?
荒俣宏のワンポイントコラム11 リーゼント
ジェントルマンのヘアスタイルが、なぜ過激なロックの連中に広がったのか。もちろん、ロカビリーブームでプレスリーなどが、この髪型をしていたっていう理由はあるんですが、それ以外に、実はリーゼント=ジェントルマンというイメージがとれたことが大きいんです。これは、9に登場したドレッドヘアにも共通しています。ドレッドヘアは恐怖や野蛮、リーゼントは紳士や規範、象徴するものはまったく対照的ですが、各々に余計な意味がなくなり、その代わりにファッションという新しい意味を盛り込むことで、世界中の人たちに受け入れられているわけです。これは面白いですね。

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